新たに精神障害がある人を採用することになった、職場で精神疾患の兆候がある社員がいるといった場合、採用担当者としてどのようなことを心掛ければいいのかと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、精神障害がある人に向いてる仕事と長く働ける環境を作るためのコツをご紹介します。
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精神障害がある人が長く働きやすい条件とは
精神障害にはうつ病や双極性障害(躁うつ病)、統合失調症などさまざまなものがあります。
また、その程度や症状は人によって異なるため、一括りにできないことを理解しておきましょう。
以下のような条件であれば、病状が安定している人の場合は刺激が少ないことから長く働きやすいと言われています。
- マニュアルに沿って決められた仕事をこなすもの
- 最低限のコミュニケーションしか求められないもの
- 残業が少なく規則正しく生活できるもの
- シンプルな仕事内容で正確さを求められないもの
精神障害がある人に向いてる仕事
ここでは、精神障害がある人に向いてる仕事をいくつかご紹介します。
- 事務
- Webライター
- コールセンター(テクニカルサポート)
- 工場内軽作業
事務
事務の仕事は、仕事内容がある程度決まっているため精神障害がある人に向いています。
特に一般事務は決められた内容をコツコツとこなしながら、自分のペースで仕事がしやすいためおすすめです。
企業によっては営業事務や人事事務といったものもあります。
ただし、これらの仕事は担当業務の範囲が手広くなってしまい、精神障害がある人には大きなストレスになってしまう可能性が高いためおすすめしません。
職場ではできるだけ刺激を避けるために、イレギュラーなものは他の人に対応を任せるなどして工夫するといいでしょう。
Webライター
Webライターの仕事は、リサーチ力や文章力といったスキルを身に付けることさえできれば、独立して自宅で働くことができます。
企業で働く場合であっても、最近は週に何日かのみ出社してそれ以外は自宅で働くといった在宅勤務制度を取り入れていることも増えているため、チャレンジしやすい仕事だと言えるでしょう。
締切がある場合も多いですが、早めに記事を納品できるよう仕事に取り組んだり、締切を緩くしたりすることでストレスへの対処もうまくできます。
コールセンター(テクニカルサポート)
コールセンターの仕事には、顧客に電話をかけるアウトバウンドとかかってきた電話に対応するインバウンドの2種類があります。
精神障害がある人に向いてる仕事は、インバウンドの一つであるテクニカルサポートです。
顧客から製品の使い方について技術的な部分への対応を行う仕事であるため、対応方法がマニュアル化されていることが多く、精神的な負担は少ないと言えるでしょう。
工場内軽作業
工場内作業の仕事には、食品関係から物流関係までさまざまなものがあります。
働く環境は仕事内容によって大きく異なりますが、基本的には誰かと一緒に仕事をするのではなく一人で決められた仕事をコツコツと進めるものが多いです。
職場で多くのコミュニケーションを必要としないため、精神障害がある人には向いてる仕事だと言えます。
精神障害がある人に仕事を提案する際のポイント
精神障害がある人が働きやすい仕事を提案するためには、以下のポイントを参考にしながら慎重に検討することをおすすめします。
- マイペースに取り組める仕事内容なのか
- 納期や締切に追われる心配は本当にないのか
- 代わりが利く仕事なのか
冒頭でもお伝えしたように、精神障害がある人は日によって体調が大きく変わることがあります。
そのため、病院に行かなければいけなくなったり、一定期間休職して自宅で静養したりしなければいけないことも十分考えられます。
状況に応じて柔軟に働けるように、可能であれば体調の様子を見ながら働ける在宅勤務やフレックスタイム制の導入を検討してみてもいいでしょう。
休職が必要になった時などのことを考えて、スムーズに人を補充しやすい仕事を提案するのも一つの手だと言えます。
精神障害がある人が長く働きやすい環境を作る方法
精神障害がある人は、疲れやすく日によって体調に波がある人が多いです。
そのため環境によっては、仕事を続けることができない場合も珍しいこではありません。
少しでも長く働きやすい環境にするにはどうすればいいのか見ていきましょう。
精神障害がある人は不安を抱えながら働いている
精神障害がある人は、以下のような悩みを抱えながら働いていることが多いようです。
- 体調が悪化して働けなくなったらどうしよう
- 偏見を持たれているのではないか
こういった悩みを少しでも軽くするためには企業が積極的に動き、精神障害がある人も安心して働ける環境づくりに取り組むのが大切です。
具体的な方法をいくつかご紹介します。
残業が必要ない程度の業務量を任せる
精神障害がある人は真面目で細かな気配りができる人が多いです。
頑張り屋さんが多いため、放っておくと任せられた仕事が全部終わるまで残業してしまう可能性もゼロではありません。
無理させてしまうと、疾病の症状が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。
精神障害がある人が長く働けるようにするためには、残業が必要ない程度の業務量を任せることをおすすめします。
何でも相談しやすい環境を作る
精神障害がある人は、ささいはことでも気にしやすい人が多く、ストレスを一人で抱え込んでしまうことも多いです。
ストレスが溜まりうまく解消できない状況が続くと、体調不良に繋がりやすいと言われています。
日頃から何でも相談しやすい環境を作ることができれば、些細な変化に気付きやすくなるでしょう。
仕事でうまくいっていないことや、悩んでいることがあるなと感じたらすぐに相談に乗れるような環境を現場の社員と共に築くことが大切です。
精神障害がある人を職場がサポートするには
精神障害は誰もが発症する可能性があります。
これまで一緒に働いていた同僚がある日突然、うつ病や統合失調症といった精神障害になることも十分あるわけです。
そんな時、職場はどう対応すればいいのかここでは見ていきます。
早めに病院を受診するようすすめる
「いつもと違って元気がないような気がする」「どこか人が変わったみたい」
など、異変に気付いたら、早めに病院を受診するようにすすめましょう。
精神障害の症状の多くは早めに病院を受診し、医師から診断を受けて適切な治療をすることで重症化を防ぐことができます。
オープン就労とクローズド就労どちらにするか決めておく
障害者枠での採用の場合、初めから職場に精神障害があることをオープンにして就労することになります。
ただし、社員として働く中で精神疾患を発症した場合はオープンにするかクローズドにするか悩むところになります。
通院しながら仕事を続けたたり、休職後復職したりする時は本人と話し合ってどちらにするか決めておくといいでしょう。
精神障害がある人に向いてる仕事を提案しよう
今回は、精神障害がある人に向いてる仕事や長く働ける環境づくりに取り組むにはどうすればいいのかをメインにお伝えしました。
偏見の目が辛いと感じている精神障害者も多いため、まずは精神障害に対して正しい知識を持つことから企業全体で始めてみるのもいいでしょう。
これから精神障害がある人を採用する予定がある、あるいは社員が精神疾患の兆候があり対応に悩んでいるという採用担当者様は、今回紹介した内容を参考にして頂ければ幸いです。