投資や副業など、お金を稼ぐための情報を売るために、人を騙すような人がいます。当然ですが、そんな人や組織は許せませんよね。
今回、ある投資案件を見つけたのですが、その代表者も同じ思いを抱えているようでした。彼女は大手証券会社に入ったものの、知識の少ない高齢者に粗悪商品を売りつけている現状に怒りを覚え、独立して誰でも利益を出せるCORE(コア)プロジェクトというトレード案件を作っているようです。
話を聞くと信頼できそうに見えますが、実際にこのプロジェクトは稼げるのかを検証していこうと思います。
現在、COREプロジェクトに参加するか迷っている方はもちろんのこと、投資やトレードで利益を上げたい方も是非今回の調査を参考にしてください!
目次
COREプロジェクトは伊東みさきの作ったトレードシステムで利益を狙う
COREプロジェクトは、「スマホ3タップ、わずか7秒の作業で年収1,000万」と紹介されていました。これが本当であれば、今までの稼ぎ方とは一線を画すものとなりそうです。
このプロジェクトは主催の伊東みさきが作ったトレードシステム「CORE」で利益を出すものとなっています。また、公式LINEでは佐藤大樹というインタビュアーが伊東みさきにインタビューする形式でこのプロジェクトが紹介されていきます。
このプロジェクトおよび、システムは本当に信頼できるものなのか、さまざまな角度から調査していきます。
伊東みさき|COREプロジェクト関係者の経歴の根拠は薄かった
まずはプロジェクト関係者について調べていきます。主催者の伊東みさきと、インタビュアーの佐藤大樹について調べてみました。
伊東みさきの情報はインターネット上になかった
今回のプロジェクトの主催である伊東みさきは、もともと証券会社に勤務していたようでしたが、今ではシステム開発者とタッグを組み、専業トレーダーとしてシステム開発を行っているというようなことが、公式LINEやランディングページに書かれていました。
第三者からの情報はないかインターネットで検索してみましたが、そういった情報は出てきませんでした。
これを怪しいと捉える方もいるかもしれませんが、もともとは会社勤めであり、独立した後も基本的にはもとからの知人を伝ってこのシステムを広めたようなので、他に情報がないからといって怪しいとは感じられませんでした。
佐藤大樹の情報もインターネット上になかった
佐藤大樹は今回のプロジェクトで、伊東みさきにインタビューをしている人物です。彼はフリーのライターとして副業情報を発信しているようです。彼についても、同様にインターネットで調べてみました。
同名の人物については何人か確認できましたが、本人だと確証を持てる人物は見つかりませんでした。副業に関してまとまった情報を流しているとしたら簡単に見つけることができるはずなので、この方の情報が出てこなかったのは少し不自然だと感じました。
しかし、別の名義で活動を行っている可能性も考えられますので、それだけでこのプロジェクトが怪しいと考えるのは早計かと思われます。
伊東みさきも佐藤大樹も同名の芸能人がいる
伊東みさきと佐藤大樹についてインターネットで検索してみると、二人とも同名の有名人がいました。
COREプロジェクトのように関係者が直接動画に出るような副業案件では、本人を特定しづらくするために有名人と同姓同名の演者を使っている副業案件もあります。
たまたま名前が同じだっただけの可能性もありますが、もしもCOREプロジェクトが意図的に名前を選んでいた場合、何か後ろめたい情報を隠している可能性があるので注意が必要です。
有名人の名前と同姓同名であれば、インターネットで検索したときに有名人のサイトばかりが出てきて本人にたどり着くことが難しくなります。
伊東みさき|COREの特商法は不完全
COREプロジェクトの特商法についても調べてみました。特商法とは特別商取引法の略称で、悪い販売者から消費者を守る法律のことです。この法律に従って商品を販売する場合には、販売者は決められた内容を記述しなければなりません。
COREの特商法に関する記載は、広告のページと商品販売のページと別の内容が書かれていました。まず、広告のページの内容を一部抜粋すると以下のようになっています。
運営責任者 | 伊東 みさき |
---|---|
お問い合わせ | info★o-co.biz ※ ★を@(半角)に変えてご連絡下さい。 |
商品価格 | 無料 |
本来、販売業者の名前とその住所、電話番号を記述しなければなりません。しかし、COREプロジェクトにはそれらの記述がありませんでした。
法人ではなく、伊東みさき個人でこのプロジェクトを行っている場合は販売業者名・住所・電話番号を記述する必要はありませんが、消費者のことを考えれば住所・電話番号を記述する方が適切ですので、不完全なものと感じられます。
続いて、商品販売のページの特商法に関する記述を一部抜粋すると以下のようになっています。
運営責任者 | 伊東 みさき |
---|---|
収納代行業者 | 株式会社ベターライフ |
お問い合わせ | info★o-co.biz ※ ★を@(半角)に変えてご連絡下さい。 |
所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目13-1 |
商品代金以外の必要料金 | 不要 |
支払方法 | 銀行振込 |
広告ページと内容が少し変わっています。詳しくは後述しますが、COREを利用するためには購入料金が発生するようでした。2つの記載を比較すると、広告の時点では料金に関する記述を意図的に隠しているように見えました。
また、商品販売のページには所在地は書かれていましたが、電話番号は書かれていなかったためやはり不完全だと考えられます。加えて、販売業者についての記述もなかったため、伊東みさき個人が販売していることになります。
伊東みさき|COREはラダーオプションにAIシステムを組み合わせて稼ぐ
ここからはCOREプロジェクトでの稼ぎ方と、そこで利用するシステムについて考えていきます。
このような副業を始めるとき、どのように稼いでいるかはしっかり調べておかなければなりません。なぜ稼ぐことができるのかが明確に説明してあり、そのロジックに正当性がなければ、安全な副業とは言えないため、ここからそれを調査していきます。
あなた自身の判断の材料にして、COREプロジェクトが本当に稼げるものなのか考えてみてください。
COREプロジェクトの稼ぎ方はラダーオプションを利用する
COREプロジェクトはラダーオプションという方法で利益を出すようでした。
ラダーオプションとは?
一定時間経過後のレートを予想するバイナリーオプションという取引方法の一つです。
バイナリーオプションの別の取引方法であるレンジオプションは、ある時点での銘柄の価格が設定した範囲にあるかどうかを予測する取引なのに対し、ラダーオプションは設定した価格以上になるかならないかを予測する取引のことです。
ラダーオプションでは、一回の予想が当たれば1,000円もらえます。エントリー価格が600円程度になる場合が多いので、その差額の400円程度を手に入れられます。
400円というと少ないように感じますが、何重にもエントリーすることで大量に稼げる仕組みになっています。ただし、何重にもエントリーした場合は予想を外したときに損する金額も大きいので、そのリスクも理解した上で取引を行う必要があります。
COREはAIシステムを利用して稼ぐ
ラダーオプションを利用して稼いでいく際に、本来であれば価格が上がるか下がるかを自分で予想しなければなりません。自分で予想する場合、予想が外れたり取引手数料を引かれたりすることで損をする場合が多いのですが、COREプロジェクトではAIを利用したシステムでその予想を行うので、非常に高い精度で予想してくれるようでした。
COREの予想的中率は97%であると明言されています。これが本当であれば、そのAIシステムに従って取引を行っているだけで大金が稼げることがわかるかと思います。
伊東みさき|COREの実績を鵜呑みにしてはいけない
COREプロジェクトで使われるシステムは、トレードの機能に特化したAIで、5年と2億円以上のリソースを投入して作られたようでした。そして、紹介が紹介を呼んで217人の人が100万円以上稼ぐことに成功したようです。
伊東みさき本人は毎年1億円ほどの利益を出しており、インタビュアーの佐藤大樹も一週間で12万円ほど稼ぐことができたようでした。
さらに、過去のデータを使って行ったテストでは、6年の間、月利30%を切ったことがないということでした。他の参加者の収益画面も映し出され、本当に大きな成果を狙えるように感じられます。
実績はあるが鵜呑みにしてはならない
COREの公式LINEでは前述のような実績画像をたくさん見ることができます。その画像を見て、本物だと感じる方もいることでしょう。実際、参加者の画面に移っているのは「iClick外為OP」という大手証券会社の取引口座ですので、本物であると考えるかもしれません。
しかし、スマホやパソコンの画面は、誰でも書き換えることができます。そのため、これらの証拠が本物であるという保証はありません。本物のように見えるだけで実際には利益の出ていない偽物である可能性もあります。
書き換えた内容が外部に反映されることはありませんが、書き換えたものを写真に撮って稼いだ証拠として出すことはできてしまいます。実際にそのようにして実績を捏造している業者も多いので注意しましょう。
また、途中で「80代の方でも元手0円から100万円突破した」という話が出てきました。しかし、ラダーオプションの取引にエントリーするにあたって元手は必要なので、「元手0円から」という表現は誤りだと考えられます。
もしかしたら「小さな元手から100万円を突破した」ということを言いたかったのかもしれませんが、誇張表現だと考えられます。他にも誇張表現が含まれている可能性があるため、実績を鵜呑みにするのは危険だと感じられます。
伊東みさき|COREの公式LINEに潜入してみた
実際に公式LINEに登録してみたので、中身がどうなっているのかも解説していこうと思います。
登録すると、挨拶と共に第1話の動画が送られてきます。
動画の中で伝えられたキーワードを公式LINEに送ると、プレゼントが送られてきました。プレゼントの中身はインタビュアーの佐藤大樹が行った運用結果を公開しているもので、これを見るととても信ぴょう性が高く感じられます。しかし、前述した通りこの画像は加工できるものなので鵜呑みにすることは危険です。
次の日の20時になると2つ目の動画が送られてきて、さらにその次の日にも同様に3つ目の動画が送られてきます。「なぜこんな風に毎日動画を送るのだろうか?」と思う方もいるかもしれませんが、これはプロダクトローンチといって少しずつ情報を公開することで購買意欲を煽る方法となっています。
プロダクトローンチという販売方法自体は悪いものではないのですが、無料でシステムを配ると言っておきながら購買欲求を高めようとしているところを見ると、最初から高額な商品を売りつけることが目的であると考えられます。
COREプロジェクトはやはり有料だった
3つ目の動画が送られてきた次の日にCOREに参加するためのページが送られてきます。そのページを読んでいくと、参加料金に関する記載がありました。
これまでずっと無料であると言ってきたのにも関わらず、一括払いでも137,000円というかなり高額な料金が発生するようでした。
販売ページの言い分としては、コミュニティ参加者はCOREアプリを無料で利用できるが、COREコミュニティに入るためには料金を払わないといけないということなのだと思います。たしかに完全な嘘とは言えませんが、意図的に情報を隠しており、これによって混乱した視聴者も多いでしょう。
伊東みさき|COREプロジェクトは必ず稼げるものとは言えない
ここまでの情報を総合して考えると、COREプロジェクトが稼げる副業であるとは言い切れません。
- 関係者の情報の信ぴょう性が薄いこと
- 特商法の記述が不親切であること
- 誇大表現を使っている可能性が高いこと
- 証拠が本物か確かめる方法がないこと
こういった点から、完全に信用するのは難しいと考えられます。もちろんいいシステムである可能性も0ではありませんが、もし参加を検討されている場合は、ご自身の取れるリスクを狙えるリターンと比べて慎重に判断してくださいね。
また、何度も無料で受け取ることができると言っていたのにも関わらず、最終的には大きな金額が発生するという話になっていた点も気になります。
本当に利益が発生し、元が取れるのであれば大きな金額を支払う価値があるのかもしれませんが、視聴者が無料だと勘違いさせるような情報を流しているため、COREで利益が出なかったとしても同じように言い逃れされる恐れがあります。
こちらのリスクも考えた上でご検討ください。